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後藤仁のスロー・クルージング
軍事関係図書(洋書中心。自腹で購入!)の書評と日々の雑感
復活!! その2
唐突だが、オヤジは映画がこよなく好きだ。というわけでスカパーe2に加入しているのだが、最近「日本映画」チャンネルがBSに移動してきたので即加入した、個人でアンテナをつけることができない環境のため現在のアナログBSアンテナを用いる関係上、CSの視聴は不可能なのだからこれは致し方ない。日本映画チャンネルでは結構昔の作品も放映しており、おそらくほとんどの人が知らないであろう「スーパージャイアンツ」を一挙放映したのに思わず小躍りした。

何しろ幼少のみぎりに数本を見ただけだから、記憶の奥深くにしか残っては折らず、こんな映画だったのかと驚くやら、呆れるやらしきり。とにかくTV各局ではオヤジが河原芸人と呼んで嫌うところのくそ面白くもないバカ芸人の演じるつまらない番組と、これまた大嫌いな韓国映画ばかりなので、料理番組やニュース、ドキュメント番組程度しか見るものはなく、有料チャンネルはとても役立っている。そういえばNHKも有料チャンネルだったな。残念ながら優勝じゃないというところが問題なのだが…。
 
さてここからは前回の続きで、トランペッターのF3H-2Mをもう少し詳しく見てみよう。
まずそのスタイルだが、排気口の上部にあたるペンニブ部、すなわち胴体後端部の絞込みが不足しており、その結果してこの部分がやや太めなことと、レドームが前方に向かってストンと落ちており、実機のなだらかなカーブが再現されていないこと。これを修正するのは結構、というかかなり面倒なので無視するのが一番だろう。このあたりは先に同スケールでリリースされたグランドフェニックスのキットのほうが正しいが、他に気になる部分が多いので、やはりラッパ印をお勧めしておこう。
組立ては実機の機首周りが複雑なレイアウトを採っているため、キットでもこのあたりをきちんと収めるのに手がかかるが、無論これはキットの責任ではない。この部分を除けば組立ては簡単で各部の合いも問題はないが、ネックとなるのが主翼と胴体の結合だ。小さな2個のタブで固定するのだが、合いは問題ないものの強度的な不安が一杯だし、何よりも左右の下半角を揃えるのが意外にめんどうな作業となる。しかし完成後のスタイルを左右するところだけに、これだけはきちんと揃えて欲しい。

とまあここら辺は多くのキットに共通する製作面の問題で、特になんだというものではない。最大の問題は、-2型とそれ以前の型式を差別化するために機首下面と尾端が別パーツとされ、専用のパーツがセットされていることに起因するものだ。-2M型のキットには機首に装備した20mm機関砲の発射ガスがインテイクに吸引されコンプレッサーストールを誘発するという問題により、型式を問わず多くの機体が生産後に左右各2門が装備された機関砲のうち上方を外して、その開口部を塞いだ改修後の状態を再現したパーツがセットされている。これはありがたいことだ。しかしいけないのは尾端。-2型以前の型式ではこの尾端が長くなければならないというのに、キットでは-2型の生産から導入された短縮型尾端がセットされているということ。つまりこのパーツでは-2M型を製作することはできないのだ。
悲しいことに先にリリースされた-2型のキットには、機関砲廃止前の機首下面と長い尾端がセットされているのだ。つまりそのままでは、これまた-2型も製作することはできないのだ。ただし確認できたのは1機だけだが(Bu.No.143488)、-2型であるにもかかわらず長い尾端を装着している機体も存在する。しかしこれは例外といえるものであり、やはり-2型のほとんどは短い尾端で完成したことは間違いない。
ということは、デカールの問題を無視すれば-2型を作りたい方は-2M型を、逆に-2M(-2Nも同じ)の製作を望むならば-2型のキットを購入すればよい。オヤジの場合は不肖の弟子、といっても年に何作も完成させている立派なもデラーなのだが、からこのパーツを交換しよう持ちかけられ、根が鷹揚なので快く交換した。そして-2Mなら何を作ろうかと本を広げてみたら、なんとオヤジが作りたいマーキングは大半が-2型であり、-2Mなんでまともなマーキングはほとんどないことが判明した。もともとオヤジはCAG機とバイセンが最高と思っており、しかも1文字テールレターと訓練飛行隊は駄目という性格だから、おのず作りたい飛行隊は限定されてしまうのだ。まっ、作りはしないのだからいいけどナ。

最後にデカール。キットにセットされたものは決して上質とはいえず、赤と青の発色が悪く満足できないものだが、まあそれはよしとしよう。問題なのはマーキングだ。セットされているのはVF-14とVF-112で、VF-112は部隊名のスラッシュが抜けているが、まあこれは我慢できる。しかしVF-14のほうはBu.No.が-2型であるにもかかわらず、胴体に記入されたBu.No.の上方に記された機体名がF3F-2Mとなっていること。VF-14は実戦部隊としては初めてF3H-2Nを受領した飛行隊だが、1956年3月1日付けでF-3H-2Nを受領し以後1959年2月にF3H-2に改変するまでに、運用した-2M型はわずか数機に過ぎなかった。もちろん写真などはなく(と思う。ただし外見は変わらない-2N型ならば存在する)、見つけることができなかったので一番有名かつ派手な-2型時代のマーキングをセットしたのだろう。って違うぞ何か。
しかもテイルレターの下に描かれたペナント内の文字が抜けており(これは箱絵もだ)、リサーチ不足が目立つ。まあデカールは色々発売されるだろうし、どうせ色の問題があって使わないので問題はないのだが…。

imgres.jpeg

ホビーボスのF3H-2。少々問題は残るものの、これはこれでなかなかのキットであり、ぜひ製作してその後継機となったF-4ファントムIIと並べてその デザイン思想を自分の目で確認して欲しい。これからでカールも発売されるはずだしネ。


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(2012/02/01)
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コメント
コメント
復活おめでとうございます。
待ちわびてましたぜ。

>-2Mなんでまともなマーキングはほとんどないことが判明した。
だから箱ごと交換してもいいすよ!って言ったのに…
2012/05/23(水) 13:38:31 | URL | 楠木(不肖の弟子) #- [ 編集 ]
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2012/05/23(水) 13:40:03 | | # [ 編集 ]
復活おめでとうございます&コメありがとうございます。
>>だから箱ごと交換してもいいすよ!って言ったのに…
…それは完成させろ!というお達しかもww
でも、F3Hって本当に地味な存在ですものねぇ。
実機だってそんなに数残っていないだろうから、リサーチ不足になっても不思議はないのかも。
もし、これやるならVF-61をやって、歴代JollyRoger狙いで行くのが通ですかねぇ??
(F3H~F-4B/J~F-14~現在)
う~んそうでもしないとモチベが上がらなさそうなキット、ってのもなんだか…
さて?
2012/05/23(水) 18:56:17 | URL | やまちゃん #mQop/nM. [ 編集 ]
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